FXで儲ける人はごく一部と言われますが、実際にはどれくらいの確率で儲けられるものなのでしょうか。
私が、FXを含め様々な投資を経験し、多くを学んでいく中で達した結論は、
「FXで儲けるのは簡単ではないが、儲けられる確率を上げることは十分に可能である」
ということです。
本稿では、
- FXで儲けられる確率
- 儲けられない人と儲けられる人の違い
- 儲かる確率を高めるための方法
について解説します。
これを初心者のうちから意識しておけば、儲かる確率をスムーズに上げていくことができます。
・FXで利益を出している人は以下の特徴がある
「有利なタイミングで売買している」
「ルールを守って売買している」
「有利なポジションを作っている」
FXで負けている人の平均損失額とは?
FXに限らず、投資全般でよく言われていることですが、投資で成功できる(=安定して満足のいく利益を得られる)のはごく一部の人だけだと言われます。
これは、チャールズ・エリスの著作によく表れています。
出典:アマゾン 敗者のゲーム〈原著第6版〉
彼は、現代の株式投資を『敗者のゲーム』と表現しました。
もはや、株式投資は個人投資家が正攻法で利益を得られるものではなく、極めて不利なゲームであるということです。
アブラハム・プライベートバンクと富士経済が共同で行ったアンケート調査によると、個人投資家のうち損益がプラスの投資家は全体の20.6%、プラスマイナスゼロは7%、マイナスは72.4%となっています。
(出典:MONEYzine)
よく「個人投資家のうち、8割以上が損失に終わる」といったことを耳にしますが、決して過言ではありません。
また、同調査で明らかになった商品別平均損益率を見ると、FXの平均損益率は-25%となっています。
(出典:MONEYzine)
MONEYzineの記事によると、FXの平均投資金額は116万8,600円です。
FXの平均損失率と平均投資額から、FXの平均損失額が算出できます。
すなわち、FXにおける平均損失額は約30万円であることが分かります。
FXにせよ株にせよ、多くの人はあまり難しいとは考えず、軽い気持ちで始め、損失を被っています。
FXが難しいという事実は事実として、それをしっかり認識しておくならば、それだけでも他の初心者より良い心構えで始めることができ、強みになります。
FXとパチンコで儲かる確率が高いのはどっち?
確かに、FXは簡単なものではありません。
もしかすると、FXとパチンコを比較するとパチンコの方が勝ちやすいと考えている方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、FXは資産運用の方法としては非常に有利な条件を備えています。
ここではFXとパチンコを比較した際に、なぜFXの方が有利なのか、以下の内容で解説致します。
- 【FX・パチンコ比較1】投資とギャンブルの違い
- 【FX・パチンコ比較2】FXの方が勝率が高い
- 【FX・パチンコ比較3】儲けられる確率
- 【FX・パチンコ比較4】条件の違い
【FX・パチンコ比較1】投資とギャンブルの違い
これらの手段を大別すると、「投資」と「ギャンブル」に分けることができます。
【ギャンブル】:運に支配される部分が大きく、知識・経験・技術などによるパフォーマンス向上の余地が乏しい
具体的には、どれほどの違いがあるのか次で深堀りしていきます。
【FX・パチンコ比較2】FXの方が勝率が高い
単純な見方をすると、FXの勝率は50%です。
FXでロングポジションを取った場合には、価格が上昇すればプラス、下落すればマイナスとなります。
ポジションを取った価格は上昇と下落の二択で推移するため、1の原因に対して結果は2であり、上昇する確率・下落する確率はともに50%なのです。
なぜならば、パチンコの当たる確率は、機種ごとに1/299や1/315などに設定されているためです。
つまり、1の原因に対して結果は299~315であり、勝率は約0.3%と極めて低いのです。
勝率50%のFXは運による支配をほとんど受けないのに対し、勝率0.3%のパチンコは運なくして勝てないことが、勝率からもよく分かります。
【FX・パチンコ比較3】儲けられる確率
FXでもパチンコでも、それぞれの基本的な勝率の中で知識・経験・技術を活用し、利益を高めていくことによって、長期的に儲けられる確率を上げることができます。
しかし、基本的な勝率に大きな差があることに加え、FXとパチンコにおける構造的な差異によっても、パチンコは圧倒的に稼ぎにくい仕組みになっています。
構造的な差異を簡単に言うならば、FXを提供するFX会社と、パチンコを提供するパチンコ店の収益構造の違いです。
FX会社は、外貨市場と投資家を仲介することで利益を得ています。(参考資料:金融先物取引業協会)
この利益のひとつに「スプレッド」というものがあります。
スプレッドとは、買値と売値の差です。
(詳しくはこちら⇒スプレッド最狭水準のFX10会社を徹底比較!【2021年最新版】)
例えば、米ドル/円のスプレッドは0.2~0.3銭程度に設定されていることが多いのですが、1USD=100円・スプレッド=0.3銭であれば、売値100.000円に対する買値は100.003円となります。
つまり、買値に対して売値が常に0.3銭安いということですから、投資家は毎回の取引で必ず0.3銭の手数料を支払うようなものです。
FX会社は、このような小さな利益を多く積み重ねる、運営コストをカバーしています。
このため、単純な勝率は50%であっても、同じ条件で賭け続ければ最終的にプラスマイナスゼロになるわけではなく、スプレッド分の損失が発生し続け、最終的にはマイナスになります。
パチンコ店では、FX会社のように利用者から手数料を徴収することができません。
より単純に、利用者が平均的に負ける仕組みを作ることで利益を得ています。
実際の仕組みはパチンコ店によって異なり、またブラックボックスでもあり、詳しいことはわかりません。
公営ギャンブルでは売上の25%を経費に引き当てており、利用者が最低でも25%負けなければ成り立ちません。
仮に、パチンコ店でも最低限25%を確保するように仕組みを作っているとすれば、利用者が平均25%の損失になるよう設計されていることになります。
以上のことから、利用者が毎回必ず支払うコストを比較すると、
FX:投資額の0.03%(スプレッド=0.3銭の場合)
パチンコ:投資額の25%
という、非常に大きな差があることが分かります。
単純な勝率だけではなく、収益構造と必要なコストを比較してみても、FXはパチンコに比べて圧倒的に有利な条件であることが分かります。
【FX・パチンコ比較4】条件の違い
条件の違いによっても、儲けられる確率は変わります。
FXとパチンコの大きな違いは、知識・経験・技術を活用できるかどうか、そしてレバレッジの有無にあります。
FXの単純な勝率は50%ですが、そんな中でも、現在の価格から上昇・下落のどちらに動くか、という見通しを立てることは可能です。
例えば、上昇トレンドの最中であれば、現在価格から下落するよりも上昇する蓋然性が高いと考えられ、ロングの勝率は高まります。
そして、利益を得られる蓋然性が高いと判断した場合にレバレッジを高めることで、利益を大きく伸ばすことも可能です。
一方、パチンコではこのような戦略が通用しません。
パチプロという職業もある通り、利益の出やすい台やタイミングを狙うことで勝率を高めることは可能ですが、パチンコにはレバレッジ制度がなく、出玉制限もあります。
つまり、あくまでも自己資金1倍が上限となり、勝てそうなタイミングで大きく賭けることができず、さらに出玉制限によって、1回の勝ちで得られる利益も限られているのです。
この比較を見ても、FXはパチンコに比べて、圧倒的に儲けやすいといえます。
冒頭で述べた通り、FXで利益を得ることは簡単ではありません。
しかし、パチンコなどのギャンブルと比較すれば、FXは非常に良い条件であり、儲けられる確率は非常に高いのです。
FXで儲からない人が陥っている4つの落とし穴
それでも、大多数の人が損失に終わっています。
有利な条件であるにもかかわらず儲けられない人には、共通した特徴があります。
2. 不利なタイミングで売買している
3. ポジションに工夫がない
4. 損切りが下手
これからFXに取り組んでいく人は、それらの特徴を知り、落とし穴にはまらないようにしなければなりません。
以下で詳しく解説致します。
1. 闇雲に売買している
闇雲に売買するならば、それは投資ではなくギャンブルに過ぎません。
知識や経験、技術を活用しておらず、運任せであり、勝率からいっても勝てる道理は全くありません。
理論的には、勝率が50%である以上、全く同じ条件(投じる金額や利確・損切りの値幅)で長期にわたって賭け続けるならば、闇雲に売買した場合にも手数料分だけの損失で終わります。
しかし、実際には、闇雲な売買では損失が圧倒的に大きくなるものです。
なぜならば、闇雲に売買している人には規律がなく、毎回同じ条件で賭け続けることなど不可能だからです。
特に、偶然の勝利に自信を得てポジションを増やし、失敗するケースが非常に多いです。
利益・損失の幅が全く同じ、なおかつ勝率50%の条件において、勝った場合に利益を再投資してポジションを増やす戦略を取れば、資金は確実に目減りしていきます。
このことは、具体的に計算してみれば明らかです。
・手元資金100万円からスタート
・必要証拠金5万円の通貨ペアで、毎回上限枚数を投じる
・勝率は50%
・勝った場合には1円で利確、負けた場合には-1円で損切り
という条件でシミュレーションしてみると、手元資金は以下の表のように推移します。
手元資金 | 枚数 | 値幅 | 損益 |
1,000,000 | 20 | 1 | 200,000 |
1,200,000 | 24 | -1 | -240,000 |
960,000 | 19 | 1 | 192,000 |
1,152,000 | 23 | -1 | -230,400 |
921,600 | 18 | 1 | 184,320 |
1,105,920 | 22 | -1 | -221,184 |
884,736 | 18 | 1 | 176,947 |
1,061,683 | 21 | -1 | -212,337 |
849,347 | 17 | 1 | 169,869 |
1,019,216 | 20 | -1 | -203,843 |
815,373 | 16 | 1 | 163,075 |
978,447 | 20 | -1 | -195,689 |
782,758 | 16 | 1 | 156,552 |
939,309 | 19 | -1 | -187,862 |
751,447 | 15 | 1 | 150,289 |
901,737 | 18 | -1 | -180,347 |
721,390 | 14 | 1 | 144,278 |
865,667 | 17 | -1 | -173,133 |
692,534 | 14 | 1 | 138,507 |
831,041 | 17 | -1 | -166,208 |
664,833 | 13 | 1 | 132,967 |
797,799 | 16 | -1 | -159,560 |
638,239 | 13 | 1 | 127,648 |
765,887 | 15 | -1 | -153,177 |
612,710 | 12 | 1 | 122,542 |
735,252 | 15 | -1 | -147,050 |
闇雲な売買では儲けられない理由がよくわかるでしょう。
2. 不利なタイミングで売買している
不利なタイミングで売買するなどといえば、非常に馬鹿らしく聞こえ、誰もそのような間違いは犯さないように思えるのですが、FXでは無意識のうちに不利な売買を繰り返してしまうケースが多いのです。
特に、感情的に売買した場合に、不利なタイミングで売買してしまうことがよくあります。
分かりやすいのが、以下のようなケースです。
- 下落を続けている局面で、そろそろ底を打つと判断し、ロングポジションを取った
- 価格は下落を続けたため、損切りした
- 損切りの後、価格は上昇の兆しを見せた
- 再びロングポジションを取った
- その後も価格は下落を続け、再び損切りすることとなった
下落トレンドであっても、底打ちと判断してロングポジションを立てること自体は、戦略的には決して間違いではありません。
ただし、下落が続くと判断したならば、すぐに損切りすることが大切です。
したがって、2で損切りしたところまでは良いのですが、その後の一時的な上昇を見て「やはり底を打った」と考えるのは早計です。
この時、なまじ前回の損切りの経験があるだけに、
当初の見通しは間違いではなかった
損切りするべきではなかった
損切りしていなければ、現在もロングポジションを維持していたはずである
当初の見通しが正しいならば、ロングポジションを保有している状態が正しい
再びロングポジションを立てなおす必要がある
という思考に陥りやすいものです。
一見すると理性的ですが、このような思考の背景には後悔が潜んでおり、感情的にポジションを取り直していることがほとんどです。
しかし、実際に下落トレンドは継続しているのですから、これは明らかに「不利なタイミングでの売買」といえます。
このように、感情にとらわれてしまうと、不利な売買を犯しやすくなるのです。
初心者には、このような失敗は特に多いため、十分に注意しなければなりません。
また、人間は感情の生き物ですから、経験豊富な人でも感情的になることがあるため、FXに取り組む以上、永続的に戒めなければなりません。
3. ポジションに工夫がない
FXで儲けるには、利益はできるだけ伸ばし、損失はできるだけ抑えることが鉄則です。
利益を伸ばすには、ポジションを大きく取る必要があります。
しかし、上記の試算からも分かる通り、利益を伸ばしたいと考えるあまり、無計画に大きなポジションを取っていると、安定した利益を得ることは困難です。
4. 損切りが下手
「損切りが下手」には、「損切りが遅すぎる」「損切りが早すぎる」の二つの意味があります。
損切りすべき時に損切りできなければ(損切りが遅すぎる)、損失は拡大し、トータルで儲けられる確率は小さくなります。
また、損切りしなくてもよい時に損切りすれば(損切りが早すぎる)、利益を得られるチャンスを逃してしまい、やはり儲けられる確率は小さくなります。
損切りの技術も、儲けられる確率を大きく左右するのです。
⇒FXで損切り貧乏になってしまう4つの理由と抜け出す為のマイルール
FXで儲けている人の3つの特徴
当然といえば当然ですが、FXで儲けている少数の人は、儲けられない人の特徴を徹底的に排除しているがゆえに、儲けているのです。
2. ルールを守って売買している
3. 有利なポジションを作っている
具体的には、以下の通りです。
1. 有利なタイミングで売買している
有利なタイミングで売買するとは、闇雲に売買しない、不利なタイミングで売買しないということです。
これから上昇すると思えるタイミングに限ってロングポジションを取り、これから下落すると思えるタイミングに限ってショートポジションを取るのです。
FXで儲けている人は、有利なタイミングが訪れるまでは辛抱強く待っているものです。
タイミングを見計らうことは、改めて述べる必要もないほど、誰でも分かっていることだと思います。
しかし実際には、闇雲に売買したり、不利なタイミングで売買したりする人が多いのですから、決して馬鹿にできない原則です。
また、実際に売買していく上でも、有利なタイミングを確実に掴んでいくことは、簡単に見えて難しいものです。
今後の展開を見通すには、世界的な経済の動向を正しく読む必要がありますし、値動きの波も正しく読む必要があります。
さらに、大きな波の中では小さな波が繰り返されるため、小さな波に遭遇した場合に、それを取るに足らない動きだ(自分の読みに間違いはない)と判断するか、あるいは警戒すべき動きだ(自分の読みが間違っていたかもしれない)と判断するか、この判断には多くの経験が求められます。
有利なタイミングで売買することは、FXで儲けるために欠かせないことであり、また非常に難しいことなのです。
2. ルールを守って売買している
FXで儲けている人は、一人残らずルールを守っていると言っても過言ではないでしょう。
逆に言えば、ルールを守らずに売買している人が、長期的に儲けられる確率は限りなくゼロに近いです。
なぜならば、そもそもルールとは、長期的に儲けていくために設計されるものだからです。
ルール設定自体に大きな誤りがなければ、極端な話、ルールを守っているだけで儲けられる確率はかなり高くなるのです。
これは、FXで儲けるための鉄則、すなわち「利益は大きく、損失は小さく」を考えるとよくわかります。
具体的には色々なルールがありますが、利確のルールと損切りのルールだけで考えてみても、
- ルールによって利確し、早すぎる利確と遅すぎる利確を防ぎ、取れる利益をしっかり取っていく
- ルールによって損切りし、早すぎる損切りと遅すぎる損切りを防ぎ、損失をできるだけ抑えていく
ということができるならば、儲けられる確率は飛躍的に高まるのです。
適切なルールを作り、守っていくことは、利確が上手であることや損切りが上手であることにもつながり、儲けられない人の特徴は一層排除されます。
3. 有利なポジションを作っている
有利なポジションを取るには、第一に有利なタイミングでポジションを取ることが重要ですが、その後もさまざまな工夫によって、より有利なポジションを作っていくことができます。
FXで儲かる確率を引き上げる為の3つの方法
2. 相場技法を磨く
3. FXでの取引経験を積む
1. FXマイルールを作る
ルールを作ってから始めるならば、ルールを持たないその他大勢よりも、儲けられる確率はグッと高くなります。
初心者であれば、分からないことが多いでしょうから、最初に作るルールは大まかなもので構いません。
ルール設計には、非常に長い時間がかかるものと考えてください。
伝説の相場師ジェシー・リバモアも、ルール作りについて以下のように語っています。
「ルールを作るというか、見つけるというか、そこに至るまでには嫌というほど時間がかかる」
実際、リバモアは30年以上かけてルールを完成させました。
相場一筋に生き、大きな結果を残したリバモアでさえこれだけの時間をかけたのですから、完璧なルールを作ってから始めるのは不可能です。
細かいルール設計は、実際に取引していく中で手直ししていき、徐々に完成させていけばよいのです。
最初に設定しておくべきルールは、資金管理のルールです。
資金管理のルールでは、
- 毎回、自己資金の何割まで投じるか
- 損切りの基準をどう定めるか
を明確に決めていきます。
このようなルールを作っておけば、タイミングの有利・不利にかかわらず一定の割合を投じ、的確な損切りも可能となり、失敗した場合の影響を限定できます。
あくまでも一例ですが、具体的には、以下のようにルールを定めます。
- 毎回の取引は、自己資金の50%を上限とする
- 損切りは、損失が自己資金の10%に達した時点で行う
ルール運用の実際は、
- 自己資金100万円のうち、投資できるのは最大50万円である
- 証拠金5万円の通貨ペアならば、最大10万通貨まで取引できる
- 10万通貨のポジションを取り、損失が発生した場合の損失許容額は、自己資金100万円の10%にあたる10万円であり、ロングポジションならば1円の下落で必ず損切りする
といったイメージです。
もちろん、初心者のうちは見込み違いによって損失を被る機会が多いため、資金管理のルールはもっとシビアに設計しておくのがおすすめです。
このほか、
- 有利なタイミングでポジションを取るためのルール
- ポジションの数量に変化をつけるためのルール
などのルールも作る必要がありますが、これらのルールは経験を積まなければルール化が難しいため、最初は資金管理のルールから出発するのがおすすめです。
⇒FXで利益を積み上げる資金管理方法!ロット・レバレッジで損失を限定
2. 相場技法を磨く
相場技法の程度によって、儲けられる確率は大きく変わります。
なぜならば、相場技法の活用によって、「利益を伸ばし、損失を抑える」ことができるからです。
技術であればなんでもそうですが、技術は練習によって自ら習得し、磨いていく必要があります。
したがって、初心者に伝えられる内容は限られていますが、初心者のうちから相場技法の価値を認識しておくかどうかは非常に重要です。
ここでは簡単な説明に止めますが、よく知られている相場技法にナンピンによって、相場技法のイメージをお伝えします。
ナンピンはするべきでないとする意見も多く、実際に不利な局面でのナンピンは損失の増大につながる危険があります。
しかし、不利な局面でなければ、ナンピンは大いに活用すべきものです。
例えば、底値圏でロングポジションを取る場合、最安値でピンポイントに買うことはできず、いくらかの下落はあるものです。
事前に少々の下落を見込んでおき、下落したタイミングでポジションを増やすことで、有利なポジションを作ることができます。
【ナンピンしない場合】
1USD=100円で20枚の本玉(最初に取るポジションであり、ポジション全体の基盤となるもの)を取り、全くナンピンしないならば、
98.5円まで下落して損切りした場合の損失は、
買値 | 枚数 | 決済 | 損益 | |
本玉 | 100 | 20 | 98.5 | -300,000 |
102円まで上昇して利確した場合の利益は、
買値 | 枚数 | 決済 | 損益 | |
本玉 | 100 | 20 | 102 | 400,000 |
となります。
【ナンピンする場合】
一方、1USD=100円で10枚の本玉を取り、その後1USD=99.5円、1USD=99円のタイミングで5枚ずつのナンピンをするならば、
98.5円まで下落して損切りした場合の損失は、
買値 | 枚数 | 決済 | 損益 | 総損益 | |
本玉 | 100 | 10 | 98.5 | -150,000 | -225,000 |
ナンピン① | 99.5 | 5 | 98.5 | -50,000 | |
ナンピン② | 99 | 5 | 98.5 | -25,000 |
102円まで上昇して利確した場合の利益は、
買値 | 枚数 | 決済 | 損益 | 総損益 | |
本玉 | 100 | 10 | 102 | 200,000 | 475,000 |
ナンピン① | 99.5 | 5 | 102 | 125,000 | |
ナンピン② | 99 | 5 | 102 | 150,000 |
となります。
それぞれの場合で利益・損失を比較してみると、ポジションの数量は同じでありながら、利益は大きくなり、損失は小さくなることが分かります。
簡単な解説ですが、ナンピンひとつをとっても、正しく行うことで儲けられる確率を高められるのです。
初心者のうちから相場技法に関心を持ち、学んでいくことかどうかによって、長期的な結果は大きく変わってくるでしょう。
3. FXでの取引経験を積む
経験を積んでいくこと自体は方法論ではありませんが、ルールを作る、相場技法を磨くといった方法の実践には経験が欠かせません。
つまり、儲けるための基礎は経験をおいてほかにありません。
経験のない全くの初心者は、きわめて脆い基礎に立っており、この基礎を固めていくことが最優先です。
経験を積むことなく、安易にあれやこれやと理論・手法に奔っても、儲けられる確率は上がらないのです。
もちろん、経験を積むといっても、質の高い経験を積むことが大切なのであって、闇雲に売買したり、感情的に売買したりといった経験は、何の役にも立ちません。
強いて言うならば、そのような売買では成功しないという、当たり前の事実を知るだけで、しなくてもよい経験によって資金を目減りさせているだけです。
質の高い経験を積んでいくには、ルールの調整を心がけながら取り組む、ポジションを工夫しながら取り組む、基本的な相場技法の練習を兼ねるなど、目的意識を持つことが重要です。
これからFXを始める人は、まずは口座を開設し、質の高い経験を積みながらスムーズに初心者の域を脱し、儲けられる確率を高めていきましょう。
まとめ
パチンコを比較対象とすれば、FXが条件的に優れており、儲けられる確率が高いことも明らかです。
しかし、実際には多くの人が、共通する特徴によって儲けられていません。
FXで儲けられる確率を高めるためにも、本稿で解説した「儲けられる人の特徴」や「儲けられる確率を高める方法」を参考にしつつ、取り組んでほしいと思います。
FXは考え方次第で利益を着実に生み出す事が可能です。
FXの特性上、短期的に利益を大きく取りに行けるので、ギャンブル性が高いようにも思えます。
ただ「FXで負けてしまう行動を徹底的に抑える事」で、着実に利益を生み出す事ができます。
ぜひ、堅実なFXライフを送るための考え方をご欄下さい。